診察

周囲の人と異なる汗

脇を嗅ぐ女性

だれでも、スポーツなど体を激しく動かした後は、多量の汗をかくものです。
当然ながら普段近所に出かけた時や、ちょっとした移動を行なう程度であれば、よほど気温が高く無ければ汗をかくことはありません。
しかし、気温も高くなければ、激しい運動をしたわけではないにもかかわらず、大量の汗をかいてしまう人もいるのです。
そういった人は、俗に多汗症とよばれ、常に大量の汗をかいてしまうため、日常生活でも大きな影を落としてしまっているのです。
人は周りと違うものは即座に判別してしまうため、こうした多汗症の人の姿も目ざとく見つけてしまいます。
一人で大量の汗をかいているため、奇異な目で周囲から見られてしまうのです。
多汗症を患っているひとは、自分でもどうしてこれほどの汗をかいてしまうのかがわからないものです。
原因も不明であるため、こうした大量の汗を抑制することは難しく、いくら拭っても止まらない汗に思い悩んでしまうのです。

通常、こうした大量の汗をかくのは肥満だからだと指摘する人もいます。
ですが、この症状は痩せた人でも発症してしまうものであり、肥満を改善すればよいというものではないのです。
多汗症は、体質として多くの汗をかいてしまうため、特に本人が暑いと感じていたり、暑がりであったりすることはありません。
体質による汗であるため、有効的な対策が取れず、仕方なくタオルやハンカチなどで汗を拭う事や、汗吸収パッドを使用して流れる汗の処理を行なう他はありません。
しかしながら、こうした汗は、見る人にとって不快感を催すものともなります。
汗は、基本的には強い臭いを放つものであり、多汗症によって多くの汗が分泌される人を目撃すると、多くの人が相手の体臭を気にします。
多汗症の人の場合、強烈な臭いを放つアポクリン腺ではなく、水っぽい臭いを発しない汗をエクリン腺から発します。
なので、臭い自体は強いものとはなりませんが、体臭を拒絶する感情や、見た目の不潔感により多くの人が多汗症の人を避けてしまうのです。
そのため、多汗症の人は多くの人の視線や周囲の人間関係に傷つき、精神的に追い詰められ、対人恐怖症などの精神病を引き起こしてしまう自体へと発展してしまうのです。

多汗症による問題は、整形外科などで解消することができます。
整形外科では、多汗症の人のために普段かいてしまう汗の量を抑える手術を行います。
手術法はさまざまであり、カウンセリングによって本人の希望や体質などから決めることができるでしょう。
最も効果が高く、治療による方法も確立したものとして、大量の汗を分泌する汗腺を切除する方法が取られます。
超音波メスを使用した切開法の他に、医療用のハサミを使用した剪除法などもあります。
剪除法では、皮膚と皮下脂肪を切開により剥離させ、汗腺をハサミによって切除する方法です。
通常の剪除法では、切開した箇所からハサミを入れることで、小さい傷口から問題となる汗腺を切除します。
傷口が小さいため、患者への負担も小さくて済み、また手術後も目立たせることはない事がこの手術法のメリットです。

さらに、確実に手術による結果を得たい場合は、切除する汗腺を目視で確認する反転剪除法も利用できます。
通常の剪除法は切除する汗腺を確認することができないため、手術を行なっても取り残しが出る可能性もあります。
反転剪除法では、一つ一つの汗腺を確認しながら切除できるため、より施術による高い効果が得られるのです。
皮膚を裏返すことで目視でも切除が可能となるこの方法ですが、傷口が通常の剪除法よりも広がってしまうため、手術の痕跡が目立ってしまうという傾向があります。
カウンセリング時にどの方法にするか、きちんと伝えることで、希望通りの手術を受けることができるのです。

剪除法では、汗を分泌する汗腺自体を切除してしまう方法であるため、その効果は永久的に持続します。
一度手術を行えば、もう二度と大量の汗によって人間関係を損なう事はなくなるため、汗の問題に悩む人の多くがこの手術法を選択しています。
場合によっては、健康保険などの適用範囲となる事もあるため、手術前にきちんと医師に確認しておきましょう。